飲食店のホームページの必要性。メリット、デメリットと出来ること

飲食店のホームページ開業・経営

今や、ほとんどのお客様が飲食店の情報をインターネット経由で取得している。当然チラシやフリーペーパーといった紙の販促も商圏によっては十分効果が出るものではあるが、年々反響率が下がっているというお店も少なくないのではないだろうか。

インターネット上での情報発信は飲食店で必須と言っても過言ではない。その手段の一つが公式ホームページだ。しかし、公式ホームページを効果的に活用できている飲食店は少ないように感じる。

そこで、このページでは飲食店の公式ホームページを効果的に活用するためのポイントについてご紹介する。

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飲食店に公式ホームページは必要か?メリットとデメリットから考える

食べログ、ぐるなび、ホットペッパーと言ったグルメサイトがある中で、そもそも公式ホームページは必要なのか。ホームページの制作を検討する際に多くの方が考えることではないだろうか。

結論から言うと、絶対に作っておいた方が良い。その理由は大きく以下の3つだ。

1.お店の認知が上がるほど、あなたのお店は店名検索で検索されている
2.きちんと運用すれば100%費用対効果が合う
3.集客以外にもホームページで出来る事がある

それぞれもう少し深く説明しよう。

お店の認知が上がるほど、あなたのお店は店名検索で検索されている

インターネット経由であなたのお店の情報にたどり着くまでのお客様の経路は大きく以下の2つしかない。

1.あなたのお店を知っていてあなたのお店の情報に到達するケース
2.あなたのお店は知らなかったが、様々な条件から最終的に到達するケース

当然、長く経営しているお店ほどあなたのお店を知った上で検索しているお客様の数が増える。

ここで、仮に公式ホームページを持っておらず、グルメサイトだけで運用している場合で考えてみて欲しい。あなたのお店を検索した結果お客様が到達するのはグルメサイトになるだろう。当然お客様はグルメサイトを経由して予約するだろうし、来店することになる。

グルメサイトでしっかり情報を伝えようと思うと、有料のプランに入る必要がある。有料のプランは媒体にもよるが数万円のコストが毎月発生する。
一方で公式サイトは初めの製作コストは発生するものの、WEB広告等を行わなければ年間で数万円のコストで済む。

公式ホームページだけで席を埋める事ができるのであれば、数十万円のコスト削減に繋げる事ができる。

また、あなたのお店に訪れたお客様がメールやSNS等で口コミを広げてくれる時に、公式サイトのURLを使ってくれる可能性が高くなる。そうして広がったURLからまた新しいお客様があなたのお店の公式ホームページに訪れる。ホームページを長い期間実施していればしている程、その機会も多くなる。

きちんと運用すれば100%費用対効果が合う

先述の通り、公式ホームページは年間数万円の固定費で維持する事ができる。しかしながら、当然何もしなければ効果的には運用できないし、そもそも必要な要素を欠いていては効果が出にくい。公式ホームページは運用して初めて効果が出るようになる。そのためにはWEBマーケティングやSNSマーケティングの知識が必要になってくる。

何が言いたいかと言うと、費用対効果が合うか合わないかと言う側面で言えば数件のご来店で回収できるので合わせやすいが、効果的に運用するにはそれなりの知識とノウハウを要すると言う事だ。

別の言い方をすれば、媒体の損益分岐点が低いので、効果的に運用できれば非常に高い費用対効果を実現することが出来ると言う事でもある。

集客以外にもホームページで出来る事がある

グルメサイトは集客に特化したサービスだ。理由はグルメサイトの存在意義が、「飲食店を便利に探す」と言う部分に特化しているからだ。当然アクセスするユーザーも飲食店を探すことを目的としている。つまり、集客目的以外の訴求や表現は基本的に効果が出にくい。お腹が空いている人間に「うちで働きませんか?」と言っても効果が出ないのは理解できるだろう。

しかし、ホームページは目的に応じてその表現を自由に行う事ができる。採用が緊急性の高い経営課題であれば、採用に特化したホームページを作ればアクセスするユーザーはあなたのお店で働くことを検討しているユーザーだ。そうしたユーザーに的確な訴求が出来れば当然反響も出やすい。

これらを踏まえて、グルメサイトとホームページのそれぞれのメリット、デメリットを以下にまとめた。

メリットデメリット
公式ホームページ・損益分岐点が低いので費用対効果を上げやすい
・自由に情報発信ができる
・時間が経てば経つほど効果が上がる
・メールやLINE、アプリ等の会員制度に送客出来る
・集客以外にも採用等で活用できる
・運用に知識・ノウハウが必要
・効果が出るまで時間がかかる
グルメサイト・既に利用者のいるところに掲載できるので短期で成果に繋がりやすい
・特別な知識は不要
・毎月数万円〜数十万円の費用を投じなければ効果に限界が来る
・あなたのお店を調べたお客様が他店に流れる可能性がある
・顧客情報を取得することは出来ない
・集客にしか使えない

以上をまとめると、飲食店にホームページは必要かと言う論点は、以下のように考えるのが正解だと言える。

1.公式ホームページは必要。理由は損益分岐点が低く、回収が容易だから。
2.効果を出すには知識が不可欠。また、長くやるほど得をする。つまり早く着手して、少しずつブラッシュアップするのが良い。
3.グルメサイトはお店の認知がまだない時期には使うべきだが、認知とともに費用対効果を確認して見直す事も必要。
4.緊急性の高い課題から優先してページを作成する

効果が出るホームページと出ないホームページの最大の違いは目的の明確化

公式ホームページの必要性は理解できたのではないだろうか。
ここからは効果的にホームページを運用するためのポイントを紹介するが、その前に理解しておくべきことがある。

それは、飲食店の公式ホームページの目的についてだ。
何が目的で公式ホームページを使用するのかによって必要なページ内容(以下、コンテンツ)やページ量も異なる。効果が出ないホームページで良くあるのは、何でもかんでも一つのサイトに情報を詰め込みすぎて、目的のページまでユーザーが到達できないようなケースだ。そうならないためには、1つのサイトにつき1つの目的で作成すべきだ。そして飲食店の公式ホームページで出来ることは、基本的に次の3つのいずれかになる。

1.集客(来店)に繋げる
店舗の集客・売上アップを目的としたホームページだ。改善指標は来店組数となる。つまりホームページの効果を決定する要因は以下の公式で判断できる。

来店組数=アクセス数×入電率(問い合わせ率)×来店率

ただし、来店率に関してはキャンセル対策等のホームページだけではできない部分も存在する。

2.採用活動の応募獲得
人材を獲得する事を目的としたホームページだ。改善指標は採用人数となる。この場合の効果測定の要因は以下の公式で判断できる。

採用人数=アクセス数×入電率(問い合わせ率)×面接率×採用率

面接率と採用率はホームページ上ではコントロールできない要因なので、アクセス数と入電率(問い合わせ率)の最大化が採用ホームページの重要ポイントとなる。

3.企業ブランディング
会社の信用度や透明性を出す事を目的としたホームページだ。一般的にはコーポレートサイトと呼ばれたりする。フランチャイズの加盟店募集や物件紹介、食材仕入れ等の企業間での取引に繋げるためのホームページとも言える。効果測定の要因は同様にアクセス数と問い合わせ数となる。

これらのホームページでできる事のいずれかを目的とした行動をユーザーに取ってもらえる設計を初めの段階で考慮できているかで公式ホームページの費用対効果は大きく変わってくる。

それぞれのより詳しい解説は以下の記事にまとめている。
今、優先して着手すべきホームページは何か?を踏まえて参考にしていただけると幸いだ。

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